行き詰る中国ゲーム、韓国に食指

■韓国大手パブリッシャーも中国ゲームの韓国進出を後押し


韓国のゲーム業界に嵐の予感だ。最近中国でシャットダウン制とゲームの総量規制が導入され、中国のゲーム会社が韓国進出に乗り出している。中国内で活路を見い出せなくなった中国のゲーム会社と韓国の大型パブリッシャー間の利害関係が一致したためである。


11日ゲーム業界によると、NEXONNetmarbleKakaoGamesなどの韓国の大手パブリッシャーが中国ゲームの獲得を強化している。これらの企業は、下半期に入り、中国の主要企業と接触しゲームをソーシングすることを明らかにした。一部の企業では中国専門の人材を増員した。


大手ゲーム会社の関係者は「制作段階を終えたクオリティの高いゲームを中心に交渉している。来年韓国進出する中国ゲームは急増するだろう」と述べた。NEXONとNetmarbleの関係者は「中国で、優れたゲームを継続的に探している」と述べた。



■中国政府のゲーム規制で韓国進出が一気に加速


中国政府は、最近強力なゲームの規制に関する政策を発表した。それによると、今後オンラインゲームの総量をコントロールし、新規オンラインゲームの登録を制限する。次の上半期からは中国内・海外に関わらず、すべてのゲームの新規流通を許可しない。8月には、Tencentのオンラインゲーム『MONSTER HUNTER : WORLD』のサービスも中断された。


表向きは近視予防など青少年保護を理由にしているが、実際には海外文化の流入を統制して自国のインターネットでの企業活動を委縮させる狙いがあると分析されている。


中央大学(韓国)のウィ・ジョンヒョン教授は「中国のゲーム会社は、2~3年前から韓国市場を狙っていた。自国での事業に行き詰った今、韓国進出の動きが活発になるのは自然な流れだ」と述べた。

■すでに韓国で成果を収め始めている中国ゲーム


中国ゲームの韓国進出は最近急増したIGAWorksによると、韓国のGoogle Play Storeにリリースされたゲームのなかで中国ゲームは2016年上半期の52タイトルから2017年上半期には68タイトルに増加した。2017年韓国進出した中国のスマホゲームの合計は136タイトルで、2016年より22タイトル増えた。


売上ランキング上位へのランクイン回数も増えた。今年の上半期だけで、『MU ORIGIN2』『RAGNAROK M』『三国志M』などの中国ゲームが韓国Google Playの売上トップ10にランクインした。ONE storeでは、売上の約40%が中国ゲームだったことが明らかになった。


韓国のゲーム業界によると、Tencentは今年の上半期に韓国進出を進めていた。自社で運営している法人とは別に直接ゲームパブリッシングなどの事業を行う予定だった。このプロジェクトは現在中断されているが、ゲーム会社の関係者は「現地の問題が解決されれば、また韓国進出に向けて動き出す可能性はある」とコメントした。



■韓国のスタートアップ企業や開発会社には危機ともなり得る状況


中国ゲームの韓国進出を見る韓国ゲーム会社の心境は複雑だ。大手ゲーム会社の関係者は「ここ2、3年の間に、韓国ゲームのエコシステムにおいて優良な開発会社とそうでない開発会社が整理され韓国ゲームの種類は減少している状況。大手パブリッシャーの立場ではクオリティの高い中国ゲームを安い価格で輸入し、事業を進める絶好の機会だ」と述べた。


ウィ教授は「中国ゲームの韓国進出が増加したことは長期的に見て韓国ゲームのエコシステムを脅かすことになる。スタートアップ企業や韓国の開発会社に出資されるべき資金が海外に流出しかねない」と危機感を募らせた。





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引用記事: https://m.news.naver.com/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=105&oid=030&aid=0002740475

(「行き詰る中国ゲーム、韓国に食指」『電子新聞』2018年9月11日の記事)

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翻訳:花崎

IT・ゲーム・ときどきブロックチェーン

IT・ゲーム・ブロックチェーンに関する海外ニュースを翻訳してお届けします。 主に韓国・中国・英語圏の最新ニュースをお伝えします。

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