韓国政府がブロックチェーン技術の国際競争力確保のための規制改善に乗り出した。しかし、仮想通貨取引やICOの制度化などが議題から除外され、総合的な規制改善案を出すことは難しいと見られている。
韓国政府の科学技術情報通信部(訳者注:「部」は日本の「省」にあたる)は、12日ブロックチェーン初期市場の形成とグローバル競争力確保のための「ブロックチェーン規制改善研究班」を運営すると明らかにした。果敢な規制改善によりブロックチェーン産業の成長基盤を構築することが目的だ。
科学技術情報通信部は、ブロックチェーンは成長が見込まれる汎用技術であり、取引コストを減らし、安全性を高められるため、積極的に活用して育成する必要があると説明した。同部は、ブロックチェーン先進国としての飛躍を目指して、今年6月関連分野の専門家とともに「ブロックチェーン技術の発展戦略。」を立案した。
■研究班の議論は外部での協議を経て実行
研究班が設定した主要アジェンダは△ブロックチェーンに記録された個人情報の破棄に関する技術案と法令改定案 △分散型電算システムの適用を妨げる法制度の現状分析 △スマートコントラクトと民法上の一般契約とのズレで発生する法的争点の検討 △公共モデル事業を実用化した際に予想される規制問題 △分散台帳システムが適用された電子文書・電子署名の法的効力などだ。
研究班での結果は、外部での議論と関係部署との協議を経て、実質的な規制改善につなげられる予定だ。
同部のチェ・ヨンヘ・インターネット融合政策官は「新しい技術が広く活用されるためには、これを妨げる古い規制を正すことが必要だ。
まずブロックチェーン技術とサービス導入の障害になる規制に対処してからさまざまな支援事業を進めていく。」と強調した。
■ブロックチェーン技術の基本要素の議論を除外
しかし、仮想通貨取引やICOに対する規制改善の是非は議論の対象から外されており、中途半端な規制改善に終わってしまう可能性もある。
実質的なブロックチェーン技術の活性化のためには、ブロックチェーン技術拡散の土台だと言えるトークン取引の制度認証や仮想通貨上場の合法化などに関する議論が不可欠だと指摘されている。
■韓国に合った独自の規制を作ることが重要
西江大学のチョン・ユシン技術経営大学院長は「ブロックチェーンと関連した規制は複数の部署で責任が分割されている状況であるため、ブロックチェーン技術に関して科学技術情報通信部が研究班を発足させたということだけでも意味がある。仮想通貨取引市場が沈静化してきた今、各部署が協力して技術面・システム面の議論を始める必要がある。」と述べた。
「仮想通貨取引と上場に対する関心が高く、中国のICO禁止など海外事例をやみくもに模倣するのではなく、韓国の状況に合った規制に関する議論が積極的に行われなければならない。」と述べた。
■仮想通貨取引やICOは他の委員会に任せるという説明
科学技術情報通信部の関係者は「仮想通貨取引やICOなどは金融委員会で検討している事案であるため、科学技術情報通信部はできる範囲内で技術的制度の改善を研究する方針。」であると説明した。
ブロックチェーン規制改善研究班は12日に初めて会議を開き、今後の運営方針と議題について話し合った。研究班は年末まで運営され、月2回セミナーを開催する予定。
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引用記事: https://m.news.naver.com/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=105&oid=008&aid=0004104754
(「韓国政府、ブロックチェーン規制改善に着手も仮想通貨は除外」『マネートゥデイ』2018年9月14日の記事)
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翻訳:花崎
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