ブロックチェーンのハブ都市を目指すベトナム

■官民一体となってブロックチェーンハブ都市の実現へ


ベトナムがブロックチェーンハブ都市への跳躍を目指している。仮想通貨出資への関心は依然として高く、政府も「親ブロックチェーン」の動きを見せている。比較的新しい技術であるためAI、IoTなどの第4次産業革命の他の主要技術に比べて敷居が低く、官民で協力すれば勝算があると見ている。


ここ1年間だけでも、ベトナムに集まったグローバルブロックチェーン企業は20に達する。MVLPOPCHAINなどはもちろん、韓国の仮想通貨取引所の一部もベトナム進出を検討中だ。ベトナム国内の出資への関心は相当なものだ。現地の仮想通貨取引所10か所のうち、1位のBitcoinVNの会員数は100万人に達する。1日の取引量も200億ウォン(約20億円)だ。韓国の2大取引所であるBithumbUPbitとも大差ない規模だ。


政府もブロックチェーンに関心を持っている。成人の銀行口座の開設率(31%)よりスマホ所有率(40%)が高く、ブロックチェーンと仮想通貨を活用したフィンテック市場を定着させれば、国家レベルのデジタルカレンシーマーケットが整備できるだけでなく金融産業全般の発展まで図れるという見方もある。クレジットカード決済市場が形成される前にスマホ決済が定着した中国のように他国をリードできる可能性もあるのだ。



■ブロックチェーン事業は新たに参入しやすい?


ベトナム政府は、今年7月に技術移転法(LTT)を改正した。既存の科学・技術の開発振興国家プログラムとしては先進技術の移転が遅れている現状を打開するためだ。特にブロックチェーン分野はこの政策によるメリットがあると見られている。ブロックチェーン技術は、2008年に登場したためこれまでの研究成果にあまり左右されない。

淑明女子大学政策産業大学院のムン・ヒョンナム教授は「AIとビッグデータ、IoTはすでに先行者と後発者の格差が非常に大きく、一定水準のインフラがなければ研究開発が難しい。まだこれという先行者がない上に、専用の施設なども必要ないことからベトナムもブロックチェーンで十分に勝負できる」と述べた。


ICOのハブとして知られるシンガポールと競り合えるという意見もある。ムン教授は「シンガポールがICOのハブとして有名だが、現地人の雇用義務、法人税、当局の厳しい管理などによる人件費、賃貸料などの負担が大きい。一方、ベトナムならコストが安く済む。韓国政府が新南方政策でベトナムとの経済協力を拡大している流れを考えると、韓国とベトナムでブロックチェーン特区を整備すればシンガポールからベトナムにICOの中心地に変わる可能性もある」と説明した。



■ブロックチェーン関連の詐欺などの課題が露わに


一方、ブロックチェーンが注目されて問題も浮き彫りになっている。今年7月ベトナムの仮想通貨のマイニング企業Sky MiningのLe Minh TamCEOは出資者から受けた3500万ドル相当の資金と共に蒸発した。出資者らが会社を訪れた際、建物は閉鎖されていて看板も下ろされた後だったという。別の場所に整備されたマイニング施設も全てなくなった。今年4月にはIfanとPincoinという2企業が偽のICOで3万2000人の出資者から6億6000万ドル(約710億円)規模の出資金を集めた後、姿を消すという事件も発生した。




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引用記事: http://view.asiae.co.kr/news/view.htm?idxno=2018092204080171225

(「ブロックチェーンのハブ都市を目指すベトナム」『アジア経済』2018年9月27日の記事)

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翻訳:花崎

IT・ゲーム・ときどきブロックチェーン

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